ライトハウスライブラリーの玄関で、ラジオから流れる音声案内を聴く三輪利春さん=松江市南田町で松江の研究所4年かけ開発安価で身近「AM」使用ラジオを持って施設に入ると視覚障害者向けにトイレの場所や段差などのガイドが流れる--。
松江市にある街づくりコンサルタント会社「計画技術研究所」が、「てくてくラジオ」と名付けた音声案内システムを開発した。
同様の装置と比べ、安価で身近にあるAMラジオを使うのが特徴で、公共、民間施設への導入が広がりつつある。
都市計画や地域作りの調査などをする同研究所が、視覚障害者の歩行支援を目指して約4年前から、独立行政法人情報通信研究機構(東京)や松江高専、市内のNPO法人などの協力を受けて開発してきた。
音声案内は、美術館などで使われる専用携帯端末に録音したものや赤外線で端末を感知して案内するものがあるが、操作が難しく高価なものがあった。安くて周波数を合わせるだけで使えるAMラジオを使うようにした。
中略 実用機の第一号が28日、点字本の貸し出しや歩行訓練など視覚障害者を支援する松江市南田町の「ライトハウスライブラリー」に設けられた。1階の玄関とトイレ、2階の研修室とトイレの4カ所に発信器を取り付け「11時の方向に事務所、2時の方向に階段があります」「1階トイレ前です。入り口には5センチほどの下り段差があります」など障害物や部屋の広さなどを細かく案内する。
中略 問い合わせは同研究所(0852-27-0915)へ。